眠り

昼間に頭が冴えるための睡眠とは

投稿日:2019年2月21日 更新日:

一般的には、睡眠時間を多くとることで、十分な睡眠が取られていると考えられています。

しかし、睡眠時間を多くとるだけで、朝スッキリ目覚め、昼間に頭が冴えるのでしょうか。

人は眠り、そして起きて活動するということを繰り返しています。1日の3分の1を寝ています。後の3分の2が活動している時間なのです。
この繰返しは、脳がコントロールしているのです。このコントロールを体内時計と呼んでいます。
あなたも、体内時計だったり、カーサディアンリズムだったりと呼ばれているのを聞いたことがあることがあるではないでしょうか。

どれだけ目が覚めているか、つまり、どれだけ頭が冴えているかは、「覚醒レベル」でわかります。

「覚醒レベル」とは、暗室で脳波を測定しなから横になり睡眠状態に入るまでにかかる時間で計算します。かかる時間が長いほど眠気が少ない、言い換えれば覚醒レベルが高いことを意味しています。これは脳科学的に証明されていることなのです。

「体内時計」とは、生物の多くが地球の自転に合わせた自然な明暗のリズム(カーサティアンリズム)で生活しています。このリズムは概ね24時間で繰り返しています。この生物のリズムを「体内時計」といっているのです。この体内時計は脳の視床下部という場所にあると考えられています。

覚醒レベルを体内時計とともに見ていきましょう。

まず、23:00に就寝するとしましょう。そうすると最初に深い眠りに入り、覚醒レベルは一挙にマイナスまで落ち込みます。(活動しているレベルをプラス、眠っているときをマイナスとして、寝付いた瞬間をゼロとします)
急激にマイナス最大まで落ち込んだ覚醒レベルは、細かく上下を繰り返しながら徐々に全体として、覚醒レベルを上げていきます。つまり、眠りに入るとどんどん深い眠りに落ちて行きます。そして、少しずつ深い眠りと浅い眠りを繰り返しながら、しだいに浅い眠りになっていき、朝起します。
起床後からは覚醒レベルが右上がりに上がって行きます

ランチを過ぎた辺りで中だるみがあります。ランチ後にウトウト眠気があるのは、お腹がいっぱいになって、消化のために血液が使われ、脳に血液が不足するために眠くなると、よく言われます。
ランチ後の眠気は血液の血糖値(血液中のグルコース濃度)が上がるからです。なので消化によって血液が脳に不足するのではありません。
眠気は血糖値が、上がるから眠くなるのではなく、血糖値が上がることで、脳内のオキシトシンの活性が低下して眠気を招く様です。
オキシトシンは睡眠と深く関係します。オキシトシンが活性化すると覚醒(つまり活動的になる)し、低下すると睡眠、つまり眠るということが研究され2000年頃から分かってきたことです。
昼休みの短時間仮眠の効果については、次の論文も出されています。「仮眠とカフェインの栄養の高校上がありカフェインカフェイン飲料品を比較したところ、最も眠気の強いとされる14:00前後の時間帯で、パフォーマンスと眠気の時間評価の両方に神の確認を営業の方おられることが示唆された。」

しかし、ランチ後の中たるみについては、よくわかってない様です。

なので朝の方が仕事の効率が良いと考えている方が多いと思いますが、
実際には、朝起きたところから覚醒レベルが右上がりなのです。朝方は、
覚醒レベルが上がり始めたところですから、仕事の効率がよいとは、
必ずしもいえないのです。

おやつも終わり、アフター5頃、つまり夕方5時頃に仕事が終わりますが、
覚醒レベルは、まだ右上がりの途中です。

そして就寝の2から3時間前に覚醒レベルが最高になり、
そのあとで急激に覚醒レベルが落ちていきます。
前日に23:00に寝ているので、夜8時辺りに最高レベルとなります。
夕食または夕食が終わりテレビとか勉強をしている時間でしょうか。

サラリーマンであればゆっくりテレビなどを見ている時間でしょう。
最近は、残業も多くない方が多く、飲み会も減っており、
やはり家庭でゆっくりした時間をお過ごしのことでしょう。

この体内時計が乱れるとスッキリと目覚めなくなったり、昼間に頭が冴えなくなったりするのです。
そもそも眠りは、休息の時間なので休みながらカラダのメンテナンスをしているのです
十分に休息が取れないことで、体内時計が乱れるのです。

しかし、体内時計の覚醒レベルに合わせた休息でなければ、体内時計を乱すだけなのです。

スッキリ目覚め、頭が冴えるためには、体内時計の覚醒レベルに沿った生活が必要です。
簡単な方法としては、就寝時間と起床時間をいつも同じすることが良いといえるでしょう。
よく土日にゆっくり遅起きする人が多いと思われますが、かえって平日と同じ時刻に起きることで、体内時計が乱されない快適な生活をおくることができるでしょう。

<参考資料>
三島和夫『かつてないほど頭が冴える!「睡眠と覚醒 最強の習慣」』青春出版社(2018)
睡眠に関係しそうな「短い周期の体内時計」の発振源がみつかった URL https://scienceportal.jst.go.jp/clip/20181017_01.html (2019/2/21参照)
食欲と睡眠に関係する物質オレキシンの発見 URL https://www.dtod.ne.jp/sp/omoshiro/article30.php (2019/2/19 参照)
若島恵介、幸嶋光彦『うつ伏せ姿勢による昼休みの短時間仮眠の効果について』東海大学紀要情報通信学部 論文 (2011/7/25)

-眠り

Copyright© 眠りのほっとらいん , 2024 All Rights Reserved.