眠り

セノイの眠りと夢

投稿日:2019年3月26日 更新日:

人は誰でも眠り、そして夢を見ています。
その夢はコントロールすることが可能なのでしょうか。

夢は眠りの中で見ている

人の眠りには、二つあります!!
一つは、目玉が動き浅い眠りのレム睡眠、もう一つは、目が動かない深い眠りノンレム睡眠です。
夢はレム睡眠中に見ています。
最近の研究ではノンレム睡眠でも夢を見ているとの報告もありますが、はっきりとした夢はレム睡眠中に見ているのです。

夢は映画を見ていると同じなのでしょうか?
悪夢は目覚めた後で、自分が体験したかの様に感じ、怖くなったり、気が動転したり、する点で映見せられている映画とは、あきらかに違うでしょう。
したがって、夢は感覚を伴うものであり、「見させられてる」というよりも体験しているのです。
しかし、夢は体験しているものであるのに、自分でコントロールできないのです。

夢を自分で、コントロールできない。

とはいっても、私達には「これは夢なんだ」と意識できるときがあります。この意識可能な夢を誰でも1回や2回は見たことがあることでしょう。
夢を夢と意識できる夢を「明晰夢」といいます。明晰夢は浅い眠りのレム睡眠中に起こるのです。
眠ってはいるのですが、意識が覚醒状態に近く、そのために夢を夢と意識できるのです。

夢をコントロールできるセノイ族

キルトン・スチュアート(1902-65)による「マラヤの夢理論」(1951)の報告によると、

マレーシアの山岳に住むセノイ族は、夢をコントロールしているというのです。
スチュアートは「セノイ族の夢の見方」として、次のようにいっています。
 1.危険に立ち向かい、それに勝つ
 2.夢の中で快楽を目指して進みなさい
 3.プレゼントや宝物をもらったり、柄だったり、見つけたりしなさい
 4.夢の中の友達を得ること
 5.夢の中で得たよい物(宝、食べ物etc.)は、夢の友達と分け合いなさい
これは、スチュアートが1934年頃マラヤ(現マレーシア)に滞在して、セノイ族の夢について書いたものです。

また、大泉実成「夢を操る」マレー・セノイ族に会いに行く(1996) の中では、
①夢の中では意識して積極的であるようにしなさい
 (夢というのは、ちょうど学校の教室のようなものだから、積極的に学ぶようにしなさい)。
②夢の中で出会った相手とは、できるだけ友だちになりなさい。

さらに、明晰夢のリスクについて、

明晰夢は夢と現実の混乱をもたらし、精神を悪化させるかもしれません。比較的精神状態が健康な人が、入念な練習で徐々に明晰夢を習得する場合には、比較的安全だとしているのです。
「明晰夢」を体験してみよう!メリットとリスクを解説
URL https://www.lifehacker.jp/2017/06/170616_lucid_dream.html (2019/3/25参照)

しかし、セノイの夢の対処方法は、近代的な明晰夢の心理学的よりも優しいのです。

他の記事で書いたことですが、落ちる夢を見て怖がっている子供に「落ちるときに周りを見たか」と問いかけ、「見てない」と答えると、「次に落ちる夢を見た時には、落ちるときに周りをよく見るんだよ」というのです。

こんな会話の中から、怖い夢を見た場合に、その怖い夢をネガティブに捉えることなく、ポジティブに捉えている優しい対処方法なのです。

また、「たとえば、夢の中でトラが出てきたら、話しかけてみるんだ。そうすると、トラが人間に変身することがある。これはとてもいいことなんだ。トラのほうが積極的に友達になりたがっているときもあるよ。そんなときは、歌を歌いながら歩いてきたりする。トラは友だちになると、あんたの悪いところを(病気?それとも性格的な欠点か?)を教えてくれたりする」(夢を操るより引用)というふうにポジティブなんです!!
これは西洋的な理論的にすべて説明するということではなく、東洋的な感情に訴えかける対処方法といえませんか。

なので、悪夢は、セノイの方法で対処してみてはどうでしょうか。
怖がるのではなく、積極的に夢に係わってポジティブに捉えてみてはどうでしょうか。
もし、みなさんが怖い夢を見たら、考えてください。

もう一度見たら、「どうして私を怖がらせるの?どうしてなの?」って夢の中で会話してみてください。聞いてみてください。
きっと、あなたの何かが変わると思いますよ。そして元気になれるハズです。

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