うつ状態の診断分類は、大うつ病、双極性傷害、気分変調症などに分類しています。これは、DSMという精神疾患の診断基準に基づくものです。
DSMは、アメリカの精神医学学会が作成したものです。
大うつ病と診断するには、DSM-Ⅳで定められている「大うつ病エピソード」にあたるかどうかを診断します。この診察では、きっかけや心理描写ではなく、症状そのものに注目しています。最初に、抑うつ気分、興味・喜びの喪失の少なくともどちらかが、1日中、毎日、2週間以上続いているかを見ます。これに加え、食欲がなく体重が減少した、不眠、じっとしていられない、あるいは動作がゆっくりになった、疲れやすいといった4つの身体症状、及び、自責する、集中できない、死にたくなるなどの3つの精神症状のうち、5つ以上が2週間以上続いているかどうかを見ます。
そのほかに、これらの症状による生活への影響、単に身近な人がなくなったことによる一時的な反応ではないことなどの基準を満たしているかを診ます。
「大うつ病エピソード」と診断された場合、さらにその特徴によって細かく分類されます。その中で最も代表的なのは、メランコリー型うつ病、非定型うつ病の2つがあります。
メランコリー型うつ病は、自責感、制止(動きがゆっくり、考えが進まない)、あるいは焦燥(落ち着かない)、早朝覚醒、日内変動(朝悪く、夕方はましになる)などの症状が特徴です。
非提携型うつ病は、不安症状の発生、自責感が少ない、拒絶に対する過敏性、食欲増加、過眠などの症状が特徴です。
<参考資料>
加藤忠史『うつ病の脳科学』幻冬舎新書(2009/9/30)
厚生労働省 2017年世界保健デーについてhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158223.html(アクセス:2017/9/18)
厚生労働省 こころの耳https://kokoro.mhlw.go.jp/beginner/(アクセス:2017/9/18)
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病http://kokoro.mhlw.go.jp/(アクセス:2017/9/18)